【『遠いばかりの空でした』でスザルルR−18:おとなのおもちゃ】

※まず、大人のナニを使って何かするわけではありません。延々とそれとあれとか上とか下とか出して云々出されて云々、あれは嫌い?これは好き?逆とか逆さはどうでしょう…つまるところ役割分担の話です。






※すごく生々しい上に下品です。

















時に思うのだがルルーシュという男は変わり者だ。それは何も彼のマイノリティーな性的嗜好をピンポイントで指して云う訳ではないのだが、まあ今の状況下においてスザクの頭を過ぎったのは、彼が自分とは異なる脳内構造を有しているということだった。

「俺さ、いつもお前には満足させてやっていると、思っていたんだ。」
「…してるよ?いつも。」
上目遣いでルルーシュを見下ろす。言葉がおかしい。今現在彼は自分のベッドに脚を組んで腰を下ろした状態であり、正面に立ち尽くしているスザクは当然に風呂上りで少しばかり上気した細面を、もっとかわいらしい様に染め上げていく期待に胸を高鳴らせながら真っ直ぐに見下ろせばいいのだった。しかしスザクにはそれができなかった。多分に心理的なものだ。ちらちらと、窺うようにルルーシュの顔を盗み見る。ああ彼は今日も美しい。十分に乾かすことを怠ったのか、細い黒髪はしっとりと水分を含んで縒っている。頬は肌理細やかで確かに女性の吸い付くような手触りは望めないがどうしたことか男のそれとも一味違う。覗いた鎖骨は今度酒でも注いでしゃぶりついてしまいたいほどだと倒錯的…いやいやこれくらいならぬるいものだと自らの欲望を正当化しつつ夜毎そこに舌を這わせるスザクを、ルルーシュは知っているのだろうか。
「スザク、」
ひゅっ、と喉が鳴った。自分は今呼吸すら止めて彼の身体に見入っていたのだろうか。逃避だ、そう思う。スザクは不自然に乱れる己の呼吸をごく近い位置にいるルルーシュに気づかれないよう整えることに集中した。落ち着け。疚しいことはなにもない…いやある、あるがしかしここで下手に出るのはどうなのだろう。ルルーシュは意外に流されやすく、本人は気づいているのか知らないが殊夜の付き合いに関しては従順だ。スザクが望めばある程度の要望には応えてくれる。もしかしかたらこの人は、そうでなくともこの人は。男に、組み敷かれるのが好き、なのでは、ないかと、思うことがしばしばあるからちょっとした悪戯心と好奇心で新しい試みをベッドの中に持ち込もうとしたんですそれだけなんですあなたが嫌ならやりませんだからどうかどうか
「許してルルーシュ!!」
どさりと床に膝をついてスザクは平身低頭平伏した。頭の先にはルルーシュの裸足の爪先。一体どうしたらこれほど隅々まで綺麗に保てるのか首を傾げてしまうほど、彼の身体は端正だ。舐めてもいい。
ちらりと顔を上げて目に入ったそれにごくりと喉を鳴らす。ああ僕ヘンタイかもと自覚はするが悔いはしない。この人を手に入れた喜びは少しくらい己を狂わせてもおつりがくるほど。だからこそ彼には嫌われたくないし彼が思っている以上に自分は彼にぞっこん(恐るべきことにスザクの発音はこの死語に対して正常だった。つまり心を込めて本気である。)だ。嫌われたくない捨てられたくない飽きられたくない、そして怒らせたくも、ない。
「…なあ、顔は上げろよ。話しづらいだろうが。謝らなくても、いいぞ。」
「だってルルーシュ!僕、ぼく本当に出来心で…お願い嫌いにならないで!怒ったのなら謝るから!」
なあ、と、躊躇いがちに掛けられたルルーシュの声はおやと思うことに怒りというよりは困惑を滲ませ、がばりと言われたとおりに顔を上げて見上げたそこには本当に困ったような彼の顔があったのだ。勢いで言い訳めいた言葉を口にしてしまったが、冷静にルルーシュの顰められた愁眉や何かを言いかけては噤まれる薄い唇を目にすれば、謝らなくてもいいのだと、それは彼の本心であることが見て取れる。怒っては、いないのだろうか。
「うん?怒ってはいないよ。嫌いにもならないさ。むしろ俺が同じことをお前に言いたいというか…」
「な、なんでっ?ルルーシュは何も悪くないじゃないか、それともそういういじめ方?」
「 ? 俺は別にお前を苛めたいわけじゃないし苛めているつもりもないんだが。いやでも、うーん…不一致って、あるしなぁ。無理を言うわけにもいかないし、妥協も限度ってもんがあるし…」
ルルーシュの、細くて長い指が手にしたものを弄ぶ。スザクは冷や汗がシャワーを浴びたばかりの背を流れ落ちる、嫌な感触に身を震わせていた。これは絶対、新手のいじめだ。ルルーシュはどこまでが本気でどこまでが冗談なのか、もしかしたら彼の中では区別がついていないのかもしれないと思うほど、一緒に暮らし始めて数年の月日が流れた今でもスザクには判じがたいものがあるのだ。だからルルーシュが言葉遊びを始めたり意味ありげに目を細めていたりするとスザクは一歩引いて身構える。それは操縦桿を握っていても訪れるもので、この場合は大抵ルルーシュは本気なのだとわかってはきたのだが(「ちょ、やり直しです無理です絶対まだ見えなっ」「いけるいけるイッちゃいなってね。俺を信じろコーパイ君♪」※着陸時のエピソード)、それでも彼の部屋という彼の彼による彼のためのテリトリーに足を踏み入れれば土壇場、それこそ最中に至るまで気を抜けば翻弄されるのがオチだった。男同士の気安さと身体的理解がそこには介在するため、別段不快と云うわけではないのだが基本、スザクは主導権を握りたいし支配したい人間だった。自覚があるのかはさておきスザクはルルーシュがほんの少し見せる苦しげな表情や「ま、て…」と喘ぎの合間に囁く掠れた声が大好きだった。ちなみに「待て」、ではなく「待って」と、些細な違いではあるが、言われた日には頼まれたって待つものか。もう無理と、涙ながらに懇願でもされようものなら彼の中にインしたままで日の出を拝む覚悟はばっちりだ。しかしながら我に帰って青くなるのはスザクであって、くったりとベッドに懐くルルーシュが、しどろもどろに謝罪の言葉を探す彼を(かわいい…)とかなんとか謝るのも馬鹿馬鹿しくなるほど生ぬるい目で見ていることをスザクは知らない。知らないからこの男二人の家庭生活は平和に保たれているというのが真実であるがそれはおそらく知らなくてもよいことなのだ。ルルーシュは年下の恋人をぶっちゃけ何をされたとしても結局はかわいいすてきあいしてる!のおめでたい頭で変換&許容できてしまう懐の広い(広さはすなわちずれである。価値観の。)男であったし、スザクはスザクで暴走しようがそれをガタガタ青い顔して許しを請おうが、結局は相手が流されるのをいいことに日々限界に挑むような勇気ある若者である。(この場合の限界とはルルーシュが許せる、すなわち「出て行け。(重低音)」と言われるまでの臨界領域のことだ。)要するにどっちもどっち、相性云々述べるのならば、いいの二文字で片がつく。心配するだけ時間の無駄だ。無駄で、あるのだが、この時スザクはいつもと違うルルーシュの様子にもしや踏んではいけない線を踏んでしまったいや超えてしまった切ってしまったもしかして?と、読めない恋人の顔色を窺うのに必死になった。このルルーシュ、いつもと違う。
「あの、さ。お前がどうしてもって、言うんなら俺だって考えないこともない。頑張れば………」
途切れがちな声が尻すぼみになる。そもそもルルーシュが、言葉に詰まる時点で非常にやばい。様子がおかしい。しまった、なにかデリケートな地雷でも踏んだか。愁眉が顰められる。顔が俯く。スザクは叫んだ。
「いい!ルルーシュが頑張る必要なんてない!僕、ちょっとどうかしていたんだ。それのことは忘れて!いつもどおりの、普通のエッチしよう!」
「…なんか、かわいいな。」
「? なにが?」
「『エッチ』って。はじめて聞いた。」
少し、眩暈がした。内容はもしかして文脈から察したのか。さすがにそれはないだろうが。確かヘンタイの頭文字だったか。日本語なのに。スザクはふっと笑みを零したルルーシュの背景に妙に清楚な花を見た。彼の手元にナニを見た。……
「ルルーシュ、ごめん。それもう捨てていいから。」
「なんで?いいよ、ちょっと待って。俺あんまり勢いでどうにかなる方じゃないから、よく考えてみないと…スザクは、かわいいんだけどさ。」
「はい…?」
「顔がいいよねぇ。身体も好きだけど俺はお前の顔に惚れたんだよね。甘い感じが好き。優しそうで。」
「あ、ありがとう?」
とりあえず礼を言ったはいいがこの年上の恋人が何を思って面映い告白(おそらく本人は恥ずかしくもなんともないのだろうが)を始めたのかスザクはわからなかったから、ここはやはり身構える。そもそも顔が好きだの身体がいいだのそれは中身に対しては譲歩しているとか外見で十分だとか、そんな寂しいことを言うつもりじゃあるまいな?胡乱な目つきで一押し訊ねる。
「あの、僕の人柄とかいったものはどう…?」
「好きだよ。」
即答。よかった。ひとまずは。だが。
「時々出ちゃう敬語とかさっきみたいな初心っぽい言葉遣いとか、かわいいなぁと、思うんだけどでもねぇ…。」
「うーんと、だからさっきからなんでかわいいとか連発してるの?それになんで困った顔してるの?いいんだよ無理しなくて。僕は今までので十分」
ルルーシュが清楚なわけはなかった。しかし今はそんなことに構ってはいられない。スザクは会話の矛先を軌道修正しようと必死になったがしかし、言葉はルルーシュの声に遮られる。
「だからちょっと待ってって。いや、それより忠告はしておこうかな。いいかスザク、よく聞け。」
どこかとんちんかんな。
ルルーシュが改まった声で言った。
「最初は、痛いよ?」



「……は?」

今の僕、すごく間の抜けた顔をしているんじゃないだろうか。ほら、ルルーシュも困ったような、それ以上に複雑そうな顔をしている。…なんでだ。
「だから。向き不向きもあるし慣れもあるけど、どうしたって最初のうちは…たぶん女性の比じゃないからな、痛いしそれ以上に気持ち悪いんだぞ…って、言いたかったんだけどなんでそんな不思議そうな顔してるの?」
それはこっちが訊きたい。なんでそういう話になっている?どこで間違えた、どこで彼はそう思った。
スザクが必死に記憶を巻き戻している間にルルーシュの迷走はまだ続く。
「まあね?あることにはあるんだよイイところって。なんだったら指でしてあげてもいいしそれくらいだったらね、俺もたぶんうまいと思うよ。言われたことあるし。でもさ…そこまでというか、やっぱり無理と言うか……うん、無理だよねぇ…。こればっかりは頑張ってなんとかなるものでもないような……ごめんねスザク。」
心底すまなそうな顔でルルーシュは言った。ちょこんと両手も合わせている。なんだやっぱりこの人の方がかわいいじゃないかその手にナニを持っていなければ。親指の先ほどの球体が連なって指よりは少し長いくらいの、いわゆる、大人のおもちゃ。
「…ルル、あの、さ。もしかして、もしかしなくても、誤解、してないかな…?」
「?誤解?どんな?」
おそるおそる訊ねたスザクに首を傾げる。これは本気でわかっていない顔だ。遊んでいたわけではなかったらしい。であればあれか、マジで俺がそっちに目覚めたとでも思っていたのか。複雑そうな顔はそのせいか。
「ルルーシュ。よぉく聞いて。」
がしがしとまだ生乾きの髪を乱暴に乱しながらスザクは頭の痛みを誤魔化そうとした。溜め息をつきながら胡坐をかく。いいやもう。かわいいとか思わせちゃうからこの人はこんな勘違いをしてしまうんだ。じっと見つめれば紫の瞳がびくりと揺れる。
「俺は。断じて。挿れられたい人間じゃない。」


「…ほんと?」
「本当。」
躊躇いがちに確めにきたルルーシュへ深く頷く。絶対に嫌だ。
「あはは、よかったぁ。もう本気でどうしようか悩んじゃったよ。スザクがそっちに行っちゃったら引き止める術はないんじゃないかと思って…ああよかった。」
えへへと照れくさそうに笑ったルルーシュは、これは絶対演技じゃない。心から安堵した表情だとスザクは判断した。誤解は解けたがだがしかし。一体なぜそんな突飛な結論に至ったのか全く解せない。ここはたぶんはっきりさせておくべきところなのだろう。整理すると、ここまでの流れはこうだ。

@ロー○ョンがきれかけていたので注文した。
A目に付いたナニも一緒に注文した。
B日付の前後でうっかりルルーシュがそれを受け取ってしまった。
C風呂上りにルルーシュの部屋に行けば複雑そうな顔でそれを弄んでいた。(合掌)

十中八九それを見たせいでルルーシュは勘違いしたのである。別に今までおかしな素振りは、自分もルルーシュもしていなかったはずだから。
「訊いてもいいかな。どうしてそんなことを?」
「俺も訊いていいかな。」
しまった。
「これはじゃあ俺に使うつもりだったわけ?」
ルルーシュがいつもの調子に戻ってしまった。再度冷や汗が背筋を流れる。
「……。」
「どうなんだ?」
「………そう、です。」
「挿れるの?」
「は、い……」
「見て楽しいの?」
「……そ です……」
「ふうん…」
やばい。さっきは不安が頭の大半を占めていたのだろうルルーシュが今度はご立腹モードに入っている。ちらりちらりと自分の方を見ながら時折ふっと目を細める。あれか、これは今からいじめますよのサインか。よし、さっきも謝ったがここは改めて頭を下げておこう。たぶん下手に出ておくのが正解だ。
「ルルーシュごめんなさ」
「いいよ?別に。」
「いやいやほんとにすまなく思っ……いいの?」
正解だと、思ったのだが違うのか。思いがけずのOKサイン。え、いいんですか。
「まあ、ちょっとくらいならお遊びに付き合ってやっても。何がいいのか俺にはさっぱりなんだけど。お前若いしね。たぶん足りないのかもなとは思っていたから、これくらいは譲歩してやろう。ほら、しようか?」
ルルーシュのことを変わっているなと思うのはこんな時だ。動力は付いていないがこういう道具の類は普通その使用に躊躇うものなのではないだろうか。彼の場合はプライドとか、そのあたりの事情も女性とは違ったベクトルで絡んでくるわけで。ああでも。その前に。
ぷらぷらとブツを持って首を傾げるルルーシュの、その無頓着な性格を前面に押し出した表情を見ながらスザクは訊ねた。
「ね、ルルーシュはどうして僕がそんな、挿れられる側になりたいんだろうって思ったの?僕いつもと違うところなんかなかったと思うんだけど。あっさりそれいいって言うしさ。」
「…いや、あはは。まあな…」
「なに?なんで?」
曖昧に笑うのがどうも誤魔化しているようで非常に気になる。覗き込むように顔を寄せれば、ルルーシュがえへへと、先ほど見たもの以上の照れくさそうな笑みを浮べて言った。

「なんて言うか、これ、かわいいよね。」

「…。」

「見た目がどうこうって言うんじゃないぞ?念のため。」

「……。」

それはつまり…サイズ、が…

「初心者向けっていうか…」

物足りないってか。
ぱたり。はにかんだような、頬をうっすらと染めた笑みが途端に引っ込む。
「す、スザク!?どうした?疲れた?湯冷め?ごめんな、床なんかに座らせちゃって…ほらこっち入れって。明日は午後からシフト入ってるんだろ。もう寝ようか?」
慌てた風なルルーシュが気遣わしげに顔を覗き込んでくる。フローリングの床に突っ伏したスザクは引っ張られるままにルルーシュのベッドに潜り込んで、毛布やら羽根布団やらを引きかぶせてくれるルルーシュの甲斐甲斐しさに深く息をついた。ルルーシュの匂いがする。無臭に近いがかすかに甘い。喫煙の名残りかもしれないがこれは嫌いじゃなかった。並んで横になったルルーシュに腕を伸ばしてぐいと引き寄せ、自然向かい合う形になった紫の瞳を覗き込んで口を開く。
「ルルってさぁ、変わってるよねぇ…。ああ、変わってるなって思うだけだよ?そういうところは好きなんだ。無邪気なのかわざとなのかわからなくて困ることもあるけどさ。」
「無邪気ってことはないだろう。普通だと思っていたんだけど、お前から見たらそうなのかな。」
「たぶん。この際だから訊くけど、挿れたいって思わないの?さっきも随分困った風で…いや僕は今のままがありがたいし不満なんてあるわけないんだけどさ。」
はじめルルーシュはスザクに入れなくちゃならないのかと思ってひたすらうんうん唸っていたのだ。無理だ頑張ってもとはそのことだろう。
「思わない。」
「即答か。」
「だって俺、前だけじゃいけないもん。」
「…一人でとか、」
「しないね。必要ない。」
それは相手に困らなかったという意味ではなかろうかと、ちらと頭を掠めたが黙っておいた。もうその話は十分だ。
「…便利だね。じゃあこうして一緒に寝ててもまったくその気にならないわけ?」
「エンジンをかけていない。お前と一緒に眠れるだけで十分なんだよ。もう少し若ければ違ったかもしれないけど…したいなら付き合うしやれば気持ちいいんだけどな。…やっぱり足りない?」
少しばかり不安そうにルルーシュが訊ねてきた。ああそうか。たぶんこの人はさっきも、あの、入れてもいいだの使ってもいいだのとは、あれは。スザクが自分と一緒にいて物足りない思いをしていないか不安だったからだ。男相手でしかも滅多に事に及ぶことはない現状で。最初の時こそルルーシュがGOサインを出して関係を持ったわけだがその後は彼から誘ってくることはほとんどなかった。一緒にいるだけで満たされるとはおそらくうそ偽りない本心なのだろう。…なんと言うか。
「正直なところを言えば、足りない。」
はっきりとしたスザクの言葉に、ルルーシュがひくりと喉を鳴らした。紫の瞳が揺れる。
「でもそれって最高の殺し文句だとは思うよ。僕がいればそれだけでルルーシュは、満足してくれるんでしょう。それは嬉しいよ。すごく。」
「そ、そう…ありがとう…?」
「いやクエスチョンマークいらないから。そりゃルルから誘ってもらったり欲情してもらったりしたら嬉しいよ。好意の表れとしては非常にわかりやすい。でもまあ、僕もルルーシュに無理言いたいわけじゃないし。十分愛されてる自覚はあるし。…たださ、その、…スイッチ、はい ちゃ ってる、んです…けど…」

「あ、そう?」

真面目な告白タイムは終了します。ルルーシュがあっさりと頷いたので。






※さすがに本番なしは意気地がないような気がいたしましたので、この先は合体しています。またルルーシュがちょっとおかしいです。

















まじでか。いや極楽っちゃ極楽なんですがいいのこれ?

「くす…スザク、気持ちいいか?」
「ああ、まあ…」
「 ぁ ん…こら、お前はおとなしくしてろって。ちゃんといかせてやるから。 ふぁっ ん、もう。しょうがないな。は…一度、いかせてやる から あっゃ…ひぁっ」
どういう状況かと言うと。
一回くらいはお付き合い願えませんか僕もう我慢が…と小さな声で言ったスザクに対してルルーシュがじゃあやろうかと、実にあっさり応じたために俄然やる気になった二人であったのだが。
ルルーシュが、先ほどのスザクの「ちょっとくらいは積極的にしてみない?」の台詞に思うところがあったらしく、まあ、彼なりの“その気”になったために。
スザクの上に、ルルーシュが乗っかっている状態であった。
「う、わ ルルっきつッ」
「この、くらいで、イイんじゃ あ ない、かっ? はぁ ん!くっ ふ ぁ ああッやぅ クッ………は、」
寝っころがっているだけでそちらさんが動いてくれるわけで、動くだけじゃなくてきゅっと締めてくれるわけで(まじでか、と、驚くほど器用だ。知らなかった。)、次にどう来るかわからないスリルは確かに病みつきになりそうだ。なるほど相手にリードを任せるとむやみやたらに早いわけでもないならこれはこれで気持ちいい。はぁはぁと絶頂の余韻に腰を震わせながら息を継ぐルルーシュを見上げていると、不意に潤んだ瞳と目が合った。
「ふふ、ほんと、かわい…」
「それ僕に言ってる!?」
ゆるりと唇を持ち上げて、掠れた声で言われた台詞に噛み付いた。もう反射だった。スザクとしては熱に浮かされたように自分を見つめてくるルルーシュをこそ、その艶やかな表情と色づいた吐息、血の気が差した頬や胸に目を釘付けにされながらかわいいかわいい頭の中で連呼していたのだ。(僕のために必死になってなんてかわいい恋人だ!)なのになんで自分が言われる。
「だって、なぁ?」
「だってなに!?」
「イく前に少し焦ってた。途中でも眉を顰めたり。そういうのは見るの好きだよ。挿れてるのに余裕がなかったりするのを見るとすごくそそる。俺の視覚的ストライクゾーンはそこなわけ。だから疲れていないときは上も好きだよ。また乗っていい?」
にっこりと悪びれない笑顔が見下ろしていた。騎上位、好きなのか。
「好き。でもスザクなら任せても気持ちいいよ。どうする?もう寝るか?それとも下りてもう一度する?」
「ええっと、じゃあそのまま下から揺すらせて。向かい合ったやつ。起きるよ、っと。」
は、と口元に手をやりながら長い睫を震わせて堪えたルルーシュの様子にどくりと自身の血流を感じる。
「おま、も、そんな…」
「いやそんな顔されたらしょうがないでしょ。少し待つから休んでいいよ。…ごめん、出たくない。」
膝の上に座り込んだ体勢になるルルーシュが、肩口に顔を寄せてしがみ付いてきた。これいいかも。細心の注意、というか我慢を強いられる状態ではあるが離れたくはなかった。彼の中はひどく気持ちがいい。
「ああ、いい。このままで。……普通にするとやってるときはあんまりくっつけないんだよな。」
ぎゅっとしがみ付かれたせいで耳元に来るルルーシュの唇が、ひどくかわいらしいことを言った。はあ、と熱を逃がそうとする熱い吐息が肌を滑った。思わず下腹に力を入れて堪えたが胎内で自分を感じているルルーシュには直に伝わってしまったのだろう。もう少し…と懇願するように呟かれて逆効果だと教えてやるべきかスザクは迷った。
「ルルーシュは、こうして肌が触れているのが好きだよね。背中ぎゅっと抱きしめてもらうのは僕も好きだよ。でももっと好きなのは…」
「ひぁっ こ、ら…あ あ ぁくっ いきなりッ」
もう年をとっても細いままなのだろう腰を両の手で固定して、ぐいと僅かに浮き上がっていたルルーシュの身体を引き下ろす。同時に自分も突き上げれば不意打ちをくらったルルーシュが悲鳴を上げた。反射なのか中がきゅっと締め付けてくる。いつも思うがよくこの細身の身体の中に自分のあれが収まるものだ。
「はっ ん んくっ…ま、待っ て…これいつもよ り あぁッ ひぅ…入る、からッ スザ、こらッ」
「そうだね…苦し?」
さすがに指が余るわけもないが、掴んだ腰はがっちりと捉えられるほどで男のくせにひどく華奢だ。双丘から表で言うとへその辺りまでの腰を撫で上げてしつこくそのあたりに指を這わせていると、ルルーシュが訝しげに潤んだ瞳を向けてきた。生理的なものでもいい。涙で煙った彼の紫は底が見えなくてとても綺麗だ。
「…なに? そこ、なにか?」
長い言葉など喋れないのだろう。舌足らずに訊ねてくる声に笑いが零れる。
「ここらへんかなって。」
「ッ! だめ、それっ 圧すなばかッああッ やっ ふ…」
前に回って下腹を圧してやればぽろりと涙が零れた。がくがくと震える身体に容赦なく下から突き上げれば肩に歯を立てて反撃される。
「ね、どの辺まで入っているのかな。どんな感じ?」
「…なに…が?」
「おへその下辺りってさ、女の人は子宮があるって感覚らしいよ。男は腸でしょう。こうやって深くまで犯されて泣いちゃうルルーシュは、どんな風に感じているのかなって。」
ひくりとルルーシュの中が収縮したのをダイレクトに感じる。当たり前だ。自分は今彼の奥深くまで欲望を突き立てている。どちらが感じている熱の方が高いのかと考えながらゆるりと揺すりあげれば、反射でもなんでもなくて今にも泣き出しそうな顔でルルーシュが唇を震わせていた。
「ルル?」
言葉を探しているのか声が出せないのか判然としないが、ひどく切なそうな目で見つめられたから震える唇に自分のそれを寄せた。いつもは遠慮なく絡めてくる舌を覚束ない風に彷徨わせ、それでも縋るように気息を合わせて来るからもしかしたらこの質問はタブーだったのだろうか。ごめんと合間に囁くとふるふると首を振ってルルーシュが応えた。
「…いい。おれ、は…女になりたいわけでも、ないんだけど。でも…」
かすれた声が尻すぼみになると聞き取るのは困難だ。だが二度言わせるわけにも行かなかった。きっとルルーシュは一度しか言ってくれないだろう。スザクはルルーシュの頭の後ろにそっと手をやって引き寄せて尋ねた。
「でも?」
言おうか言うまいか逡巡する様子が、ピントが合わないほど近い距離だからこそ手に取るようにわかる。きゅっと目を閉じてルルーシュがごくごく小さな声で呟いた。
「…お前の    ほし…。たぶん、だから。抱くんじゃなくて、ひぁっ! ま、すざ、待ッ ああっ------」








「ねえルルーシュ。」
「…なんだ?」
枕を抱き込んで見上げてくるルルーシュの目はまだとろんと眠そうだった。瞬きの数も多い。少しだけだからと苦笑してスザクは一口水を口に含んで話しだした。

「もしあなたが女で僕が子どもを作れる身体だったら、出会って結婚して幸せだったかな。」
「…」
「待った。何となく言いそうなことはわかる。従兄妹って結婚できるんだもんね。その仮定はなし。」
スザクは何か言い掛けたルルーシュの口を指で押さえた。たぶんルルーシュが女性だったらあのゴーイングマイウェイな男はさっさと自分のものにしていただろう。以前不自然なほどスキンシップの多い(ブリタニアンならあれが当たり前なのだろうか、いやそんなことはないはずだ。)従兄弟たちを努めて冷静に観察していると、シュナイゼルがルルーシュの後ろから腕を回して抱きしめる場面に出くわした。さすがに無理やり引き剥がして保護したもののその一瞬(つまり一瞬で距離を詰めてルルーシュを奪還したわけであるが)のシュナイゼルの仕草に、スザクは後になって思うところがあったのだ。
(あいつ、迷いもなく腹に手を伸ばした。肩に腕を回すのじゃなく。)
そうおかしなハグではないのだ。後ろから回した腕を相手の前で組む。ルルーシュも「スザクがみてるでしょーが。」と肘鉄を食らわせながら(あれはたぶん痛かったんじゃないかと思う。刺さる感じだろう、彼の細い肘ならば。)その体勢自体には違和感を感じていた様子はない。だがスザクはあれからひどく気になっていた。自分も無意識のうちに同じ抱きしめ方をしていると、気づいてからは。
「俺が女だったら、時代が時代だったしパイロットにはなれなかったかもなぁ。それだとお前に会わないね。」
ころんと膝にルルーシュの頭が転がってきた。スザクはベッドに足を伸ばして上半身を起こしていたのだけれど、硬いだろうに艶やかな黒髪を散らしてルルーシュが膝に懐いている。
「なんかかわいいね。寝心地悪いでしょう。」
「やわらかくても、それはそれで萎えるというか…」
「え、下ネタ?」
「そんな当たり前なネタがあるか。筋肉だなっていうのがいいんだよ。んー、中距離型かな。短距離よりはすらっとしているけどマラソン向けって感じもしないし。」
ルルーシュが太もものあたりを撫でながら言った。少しくすぐったいが嫌じゃない。思わず笑ってしまいながら髪を梳いてやればぼんやりとだが開かれていた目が伏せられてしまった。
「ルル、目あけてよ。起きてる?」
「起きてる。でも眠い…どこまで話したんだっけ?」
「ええと、僕と会わなかっただろうっていう、仮定もなし。そうだな、僕がイイ顔で辞表を突き出してきた、その直後にルルーシュが空から降ってくるとか。」
「まじで?どんなありえない設定だよそれ。…ああでも色々ありえないもんな、まあいいか…。年齢なんかも同じがいいかなぁ。七歳ってちょっと離れすぎだよね。んじゃ、傘で飛べると信じている夢見がちなワタシがお前の前におっこちてやろう。」
「舞い降りるとか、言えないわけ?」
「言えないわけ。お前ね、相当恥ずかしい話題を俺に強いていることをわかってる?譲歩しろよそのくらい。……スザク、」
「ルルーシュなら最初にそこ突っ込んでくると思ったんだけど、やっぱり眠いのかな。」
スザクは何かに気づいたのか目を細めて見上げてきたルルーシュににこりと笑った。再び髪を梳いてやってももう薄い瞼は下りてゆかない。
「これは今の僕が。ちょっと夢を見たいために用意した仮定なんだ。だからやっぱり何もかも捨てて君に会うんだよ、ルルーシュ。」
子どもを作れたとしても彼女の元を離れてきっとあなたに会いにきた。
「…じゃあ…空を飛びたがる俺のために、お前はパイロットになればいい。」
「でも家を空けてばっかりで。」
「寂しいから子どもは早くほしいな。二人くらい。」
「いっそ双子で。見分けられないと大変だから男の子と女の子がいいかなぁ。」
「俺たちの容姿を入れ替えてか?お前似の女の子と俺似の男の子だな。」
「それは俗説だけど、そうだねぇ。僕は逆がいいけどそれだと奥さんが嫉妬しちゃうかな。」
「甘いな。」
「なに、まさか息子となんちゃら?」
「あほかお前…俺が女だったらたぶんすごい美人だぞ。ナナリーを見ろ。あと今度母の写真を見せてやる。百人が百人とも振り返る美女だからな。」
子の欲目でないことはスザクにもよくわかった。ルルーシュは母親似なのだという。この今見下ろしている顔が女性の綾と華やかさを備えて綻べば、それは確かに傾城だろう。
「ああ、つまりルルーシュに虫が付かないよう僕は常に気を張っいなくちゃならないわけか。それは大変だねぇ…。今だってこんなに綺麗なのに。今だってこんなに心配なのに。子どものことなんて考える余裕もないくらいにさ。」
「悪い父親だな。うちの親父みたいだぞ。」
「あ、ルルーシュのうちのお父さんってそうだったんだ。こっちは至って普通。今度会ってやってほしいんだけどいいかな。」
「…なんて、言って会うの?」
ルルーシュがおそるおそる訊いてきたので苦笑が零れる。
「僕は嘘は嫌いだよ。家族もみんなそうだから。ああ、あとうるさい従兄妹が一人…しまった。面食いなんだよあいつ。ルルを見せたら一目惚れしちゃうかも。」
「や、四十路の男にそれはない。」
「ルルーシュって年齢に関しては化け物だと思うよ。どこが40男だよこの別嬪さんめ。」
「お前もな。下手したら学生だぞ。このかわいこちゃんめ。」
「…。」
「…。」
「…ちょっと寒くなってきたよね。」
「互いにな。そろそろ寝よう。もう朝じゃないか?…なんて自堕落な生活…」
「男二人だからできる贅沢だよねぇ。僕やっぱり今が一番いいかなぁ。」
「うまくまとまったじゃないか。お休み。」
「え、ちょ、早いよルル。僕眠れないじゃないかそっち寄せて寄せて。っと、じゃあおやすみ。」


fin.




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