※ここから先は高校生以下18歳未満のお嬢様のお目に晒すわけにはいかない露骨な性描写が入ります。CPはルルジノ・ジノルル、本番はジノルルになります。「ジノは絶対に攻め!ルルーシュは委細全てにおいて受け!」という信念をお持ちの方にはおよそ不愉快な展開が繰り広げられておりますので、年齢ほか好みの不一致を認識された方はブラウザバックでお戻りください。

 


見てやってもいい




 




















  

 ジノは戸惑うゼロを強い力で引き寄せると、自分がシーツの上に寝転がって先に進みやすいようにした。
「ゼロ、試してみるといいよ。協力する。俺、あなたにだったら構わないよ。はじめてだから優しくしてくれるとありがたいなぁ、なんて」
 ゼロは、なんて失礼なことを言うんだこの若造は!と憤りかけたのだが、まずは男で試してみなよと下になる気満々のジノに開いた口が塞がらなかった。ジノを抱く?自分がいつもそうされているように?
「冗談だろう」
「いいや本気だ。興味はあったんだよ」
「俺の性癖にか」
「違う違う。アナルセックスの、される方」
「…最初は気持ち悪いぞ」
「痛そうだしね。でもあなたを見ているととても気持ちがよさそうだ」
「いったい何年かかったと、」
「死にはしないでしょ。いいんだって。あなただっていきなり女性の前で、その…予期しない展開になっても困るだろうし、入れる側ってのももちろん楽しいもんだし、気楽に練習してみなよ。せっかく知らない仲ではないやつが一致した利害で誘ってるんだぜ?」
 それからしばらくゼロは無言を通した。ジノは気長に待った。時折溜め息をつきながら思案に暮れているらしいゼロの表情を見ているだけで、自分が興奮してくるのを感じていた。
「……じゃあ、できるところまで」
 やめろと言われたらやめる。
 そう前置いてゼロは長い指をジノの頬に触れさせた。互いの着衣は下着以外脱ぎ捨ててあったから、誰の仕草を真似たのか存外に粗い愛撫が肌に直接降りてくる。強い力で押さえつけられたと思ったら、ハッとしたようにゼロは肩の骨を辿る腕の力を和らげた。
「ああ、そういえば俺もそうしていた、かな?」
「悪い、」
「いや。俺の場合はいざとなればちゃんと抵抗できるし、」
 曖昧なやり取りの間に、気まずさの表れかゼロはジノの乳首に舌を這わせて、反応が鈍いことを知ると愛撫の対象を変えた。下着に手が掛けられる。
「どんな男とセックスしてきたの」
「言う必要はない」
「はじめて会ったとき、俺でいいって思ったのはなんで?」
 ローションを用意する合間に、ゼロは硬い声で返しながらちらりとジノの頭に視線を寄越した。
「ブロンド、好きなんだ?」
「そういうわけじゃない、」
「マスターも綺麗な髪をしているよね。彼とは寝たの?」
「訊くなよ」
 短い返事のあと、ジノは僅かに緊張した。男にしては細いと思っていた指が、そろりと後孔に潜り込む。ゼロは随分と気を使ってくれているようだ、とジノは気づいた。指の一本も拒む排泄器官が無理に傷つかないよう、ゆっくりと時間をかけて解してくれている。自分は相手が慣れていたこともあって、さほどの労わりはかけなかったように思うから、なんとなく後ろめたくなって身じろいだ。
「痛むか?」
「いや、おかしな感覚だな」
「これは?」
「おっ?」
 一瞬慌てる。慎重に中を探っていたらしいゼロが、だいぶ深いと思うところでぐっと指に力を入れた。前立腺だということは気がついたが、同時にペニスの茎を撫で上げられてジノはまいってしまった。
「ちょ、それっ」
「たぶん、痛くはないよな。ほら、」
「うぁ、すっご、気持ちい!」
 知らなかった。自分の身体にこれほど感じる部分があったとは。これならいつも攻め立てられて全身で悶えるゼロの気持ちもわからないではない。普段どおりに前のペニスも弄られ、あまつさえ口に含まれてしまえば正直に張り詰めざるを得なかった。きつく目を閉じて慣れない快楽を享受する。その間中、ジノはゼロのことを考え続けていた。丁寧に事を進めようとするジノの気持ちに反して、いつも逸る気持ちが粗雑な所作でゼロを追い詰めるのだ。男をそこに含む快感を知らなければ恐怖でしかないことを平気でして、ジノはゼロの細い肩に歯を立てながら狭い内壁を犯していた。それでも、今、ジノとは比べ物にならないほど優しく快感を引き出してくれているゼロと、辿り着くところは変わらないだろう。こうして体の中の性感帯を指で刺激して、ペニスに愛撫を施しながら相手がたまらなくなったところで自分の欲望を取り出す――焦らすように。
 ジノは自制の効くぎりぎりの射精感に踏みとどまりながら、薄目を開けてゼロを見た。
 そして思考が止まった。
「ぜ、ろ…」
 彼も下着を床に落としてはいたが、自分のそれには触れず、むしろ忘れているかのように放置したまま、ジノのペニスに舌を絡めて荒い息を吐いていた。ジノの後孔に潜ませた一本の指は控えめに前立腺を刺激しながら、それは彼にとって惰性に過ぎなかったのかもしれない。ゼロの視線はもうジノのそそり立ったペニスだけに向けられていて、ゴムもつけずにゼロの唾液とジノが滲ませた体液が混ざり合う頃には両手で愛撫を繰り返していた。
 一段と大きさを増したジノの怒張を見る目。
「硬、 い…」
 言いながらゼロはハァ、と浅い呼吸を吐きながら情欲を隠しきれずに唇を舐めた。ジノのペニスに絶妙な手淫を施すてのひらはもうふるふると震えている。ぱちぱちと瞬きを繰り返す目には焦らされすぎたもどかしさに悶える色がありありと浮かんでいて、挙句、一瞬、彼がもじ、と腰を浮かせたのをジノは見た。
「っじ、のッ?」
 驚くゼロに構わず押倒す。形勢の逆転だ。役割の交代だ。これ以上見ちゃいられない。こんな、
「こんな体で、女を抱こうなんて…」
 ジノはぎゅっとゼロの体を抱き締めてからその唇に噛み付いて、手探りでその触れられてもいなかった下半身をまさぐった。ゼロが息を飲む。無理にその口腔に指を突っ込んで最低限の潤みを奪うと、下の入り口にそれを宛がって深く息をついた。
「…ゼロ、ひくひくいってる」
「ん、んっ」
 今日一度も解されたことのないはずの場所が、無粋にも性急に進入しようとするジノの指を締め付けた。そして時折弛緩しながら奥へと誘う。つるりとした内壁がびくびくと指以上を求めるのに、ジノは素直に従った。つい今しがた彼が熱くしてくれたペニス。押し当てると、ゼロは長い四肢でジノの体にしがみつき、ジノの僅かな逡巡を責めるように入り口の筋肉で亀頭に吸い付いた。
 遠慮は捨てる。最後まで貫く。
 ジノは悲鳴を上げたゼロを気遣う余裕をなくしていた。きゅうきゅうと痛いほどに締め付ける内壁はジノが声を上げるほどの快感をもたらして、その持ち主は既にどこをも見てはいなかった。狙いをつけて擦りあげるとしなやかな体が反り返る。あ、あ、と意味を成さない嬌声がジノの耳を甘やかに撫でる。夢中でキスを求めてくるのに応えながら、いっぱいに拡がった入り口を爪でくすぐり、ようやく潤みを滲ませ始めたゼロのペニスを無造作にくじく。
「ぁ、アァッ」
 まるで女かと思うような高い声を上げてゼロが達した。そのつもりだったジノは自分もぐっと深く潜り込んで、熱い精液を解放する。どくん、どくんとジノが脈打つのに合わせてゼロが大きく痙攣した。声もなく悲鳴を上げて、代わりにその手が容赦なくジノの二の腕を握りしめる。はじめてかと思うほど長い射精だ。
 どくん、がとくん、に変わる頃、ジノはまだだと気がついた。ゼロはまだ、熱の余韻を拾い集めるようにやわやわとジノのペニスに吸い付いている。味わうようにというのはおかしいだろうか、彼の意思ではどうしようもないことらしかった。質量も硬度も随分と落ちた頃、ゼロはふるえる唇で出ろ、と言った。
「 中で出したな…」
「ごめん」
 あまりに掠れた声だったものだから、ジノは謝りながら備え付けの冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出してキャップを外した。ぐったりと、立てた脚も伸ばせないでいるのを気遣いながら、冷えた水を口に注ぐ。こくこくと三分の一ほどを飲ませたところで、ゼロは自力で体を起した。
「…まだ、疼く……」
 ふらふらとよろけながらベッドの上に正座を崩したような姿勢で尻をついた彼は、言いながら怯えるように自身の後孔を指で辿った。ジノの位置からは見えなかったが、おそらくゆるやかに痙攣しているのだろうそこは、少しずつジノの精液を零しながら、捩じ込まれた熱の余韻に苛まれているのだろう。
「気持ちよかった…」
 呟いて、ゼロは完全に諦めたようだった。とさりと軽い音を立ててシーツに沈み、衝撃に呻きながら、赤く腫れて白濁に汚れた場所にジノの視線が釘付けになるのも構わず腕で顔を覆う。
「バスルームに、連れて行くよ」
 躊躇ってジノはそう言った。このまま眠り込んでしまったら翌朝とても不快だろう。はじめてだ。はじめて他人の体の中まで汚してしまった。薄いゴムの壁すらなく、自分の欲に滾った体液を注いでしまった。
 どうにもたまらない。
 このまま放っておいたら叫びだしてしまいそうな気がして、ジノは自分がおかしくなってしまう前にゼロの体を洗い流してしまおうと考えた。
「…自分で行く」
 けれどゼロはそう言って深く息を吐いたあと、先に使えとジノを部屋から追い出した。ジノは譲るつもりだったのだけれど、今はまだ動く気のないらしい様子に仕方なく、できるだけ急いでシャワーを浴びた。戻ると、歩くために必要な当座の後始末を終えたらしいゼロが、あらかじめ敷いておいた汚れたバスタオルを手にぼんやりしていた。
「どうぞ、」
「…ああ」
 覇気のない返事を返して扉の向こうに消えてゆく背中を見送ると、ジノは自室に戻るべきだろうかと悩んだ。いつも同じホテルの違うフロアに部屋を取り、示し合わせて夜を明かす。ここはゼロが取った部屋だった。一泊のことだから使い勝手のよいビジネスホテルが多い。必ずダブルを、そして最上階を選ぶゼロのことを考える。高いところが好きなのかもしれない。旅慣れている様子から、自分と同じフットワークの求められるサラリーマンなのかもしれない。海外出張も多いようだ。出身はおそらく日本で、日本育ちのブリタニア人。ジノが必ず頼む経済新聞はちらりと目を通すだけで読み込むことはしない。むしろ気象情報をじっくりと眺めている。
「なんなんだろうな、あの人は。でも少なくともおまわりさんじゃじゃないさ」
 ひとり言をすると、ジノは苦笑した。知ったところでどうにもならない。好きになればなるほど、相手を知らない自分にもどかしさを覚えるが、たぶん追いかけたらあの人は逃げるんだろう。名も素性も明かさないのは単なる照れだ。不都合があるわけじゃなくて、日向を歩いている自分を守るために黙っているだけ。仕事は好きだと言っていた。こうして後ろめたい行為に耽る自分を、彼はたぶん切り離したいのだ。そうして自分を保っている。ジノがこれ以上彼のプライベートに踏み込むことは不可能だ。
「あーあ!昼間のあの人に会いたかったなぁ」  





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