ベッドの上では必死の攻防が続いていた。
「こら、待て!嫌だってッスザク!」
「どうして、だよ!後ろからじゃ顔が見えないだろうが!」
仰向けにされる度にころんとうつ伏せようとするルルーシュを、スザクがまたころんと転がす。シーツにしがみ付くルルーシュの指に舌を這わせて、一時間かけて脱がせた(協力してくれなかったのでふんじばって剥ぎ取った)服を散らして、胸から腹まで執拗に撫で回せば、
「くすぐったいぞ!」
「やめてほしけりゃこっちを向きな!」
「でーぶいだ!いつか豹変すると思っていたのよ優しいのは最初だけ!」
「ちょ、もしかしてノリノリ!?ルルーシュノリノリなの!?」
「海苔よりわかめの方が髪にいいぞマイハニー!」
「寒い!おやじギャグだよそれ!ギャグにすらなっていないよ!」
「うるさいうるさい!離せこの体力ばか!バックなら付き合ってやると言っているのに男なら細かいことを気にするな!」
「家具を木目に合わせて置きなおす君に言われたくないよ!いいから素直に抱かれなさい!」
「いーやーだー!スザクの好きになんてさせないぞ!主導権は俺が握る!」
「なら上に乗ればいいよ!僕は君の為すがまま!」
「ナスがママならきゅうりがパパだ!そして俺がきゅうりだ!」
「サイズとしては正しいね!僕がナス!」
「おま、おまえっ!なんとゆうセクハラ!丸ナスってあるんだぞ!短いんだぞ!やわらかいんだぞ!」
「そっちものってるじゃないか!しかも君の方が生々しい!」
「フッ!ここで赤くなるなんてまだまだ初心だなこの青二才め!」
「いく時の顔を見られたくないなんて生娘みたいなことを言うルルーシュの方が青いね!空より青いね!」
「…照れるな」
「照れるな!!」
ゼイハアと叫びつかれた息遣いが響いていた。
正直なキモチとしては一回済ませた後だと言い張りたいところですが、まだ入れていないし出していません。大人の都合でそろそろえいやっ!と合体していただこうと思います。
「…ルルーシュ、」
「…なんだ」
「建設的に、話をしよう」
「そうだな」
「とりあえず入れるから、」
「は!?こら!待てこのケダモノッあっん!建築確認取らないとだめなんだぞ!はぅ、んくぅっ違法建築なんだぞ!ふっ、く…!」
「たてたもん勝ち!入れたもん勝ち!これは俺が決めた俺のルール!!」
「おれって言った!ん あ あっ くッ出たな本性!ちょちょ、本当に、ヨくな、ふか ふかすぎ…!」
ルルーシュはおざなりに香油を振りかけただけで進入してきたモノに全身を痙攣させて逃れようとしていた。痛い、でかい。しかも熱い。
「すっざッくそ、一度イっとけ!そしてとっとと出ろ!」
「かわいくない。中で出すよ」
「勝手にしッ!?ぃや、あ こらいきなりんぁ ぁ…くそ、いいから!ヨくしなくていいか あ あ だめ、」
「痛いだけなんて僕が嫌だ、よ!」
「俺が、いいって、言ってるんだか、ふ…スザ…」
「紅くなってきたね、きれいだよ、とても、ルルーシュ、」
「…だか ら、だめ…ほんと…すざ、スザクッ」
「何が だめなんだよ、咬んでいいって、言ってるだろ、」
「だからそれ、が…んゃ ぅ、くッは、は…おれから、離れ、」
「そ、それはムリ!!」
「っあぁ!」
「…つ、」
どくどくとルルーシュの中に熱を吐き出しながら、スザクは首に感じた痛みにきつく目を閉じた。悲鳴のように声を上げたあと、最中によく喋る吸血鬼は無言で自分の首筋に顔を埋めている。必死な様子で全身で。しがみ付かれて悪い気持ちはしないのだけれど、案の定今回も中に出されるのを嫌がった。乏しい知識を掻き集めてもそうおかしなことではないのだが(※わかっているならやめましょう)、ここまで嫌がるのはやはりこうして噛み付ける体勢と云うことが関係しているのだろう。
「ルルー、シュ、」
他のバンパイアがどうか知らないが、ルルーシュが吸血行為に使用する牙は人間の犬歯を発達させたものとは少し違うらしい。そもそも犬歯に吸血能力はない。作り変えたというのが近いと言うので、嫌がるルルーシュの口をこじ開けてまじまじと覗いて見ると(※乱暴なことはやめましょう)、先端に小さな穴が開いていた。
――す、ストローっ?
――に、近い。…あごいひゃい(痛い)…スザクの乱暴もの…プライバシーのしんがいだ…
小振りで上品な口を多少無理やりに開かせたせいでルルーシュが涙目で抗議してきたため、それ以上観察することは出来なかったのだが(※当たり前です)、まあとにかく細い牙なのだ。噛まれたところで痛みはほとんど感じない。傷をつけてそれを舐め取るわけではないから咬傷だってあるかなしかの小さなものだ。ちうぅとどこか必死な様子で吸い付いているルルーシュが妙にかわいらしいので、スザクはルルーシュに血を吸われるのが嫌いじゃなかった。
しかし、前にも感じた違和感をまた感じた。
噛み付かれている場所が熱い。
「ルルーシュ、」
「っ!……悪い、」
一度聞えていないのか返事のなかった呼びかけを再びすれば、ルルーシュがハッと我に返った様に牙を抜いた。気まずそうに視線を逸らしながら傷痕を舐めている。
「 くすぐったいな」
「我慢しろ。 お前が悪いんだから」
「今、吸っていた?」
「…ちょっとだけ、」
「だけ?」
「……うっかり、理性が飛んで…」
スザクはもう塞がった傷痕をちろちろ舐めているルルーシュを引き離した。シーツの上で両頬をてのひらで包んで固定する。
観念したようにルルーシュが溜め息をついた。
「前にも言っただろう。俺達バンプの欲求は一まとまりになるんだって」
そう、多少ラリっていたが確かにそう言っていた。好きだから血がほしい。食欲も性欲も全て赤い命の水に収束していく。
「でも、本当はそれだけじゃない。まだだめなのに、我慢できなくなるくらい好き勝手をするものだから、」
お前が悪い、とルルーシュは繰り返した。
欲に負けて血を注いでしまうところだったと。
「それは、吸うの逆?」
「そうだ。人間に俺たちの血を与えてバンパイアにする」
「想像していたものとそう違わないけど、」
「まあそうだろう。血を吸っただけでバンパイアになるわけもない」
スザクはわかりそうでわからないもどかしさに顔を顰めた。
「C.C.さんが、君は性を歪めているんだろうと言っていた。僕に抱かれているのはそのせいじゃないかと」
「…お前たちはどんな話をしているんだ…正しいと言えば正しいよ。どうしたって凶暴になってしまう。神経が焼き切れて思考が弾ける瞬間があるだろう」
一瞬頬を引き攣らせたルルーシュだったがC.C.については色々諦めの境地に達しているらしく拘ることはしなかった。続いた言葉は確かにスザクにも覚えのある感覚で、ついさっきもルルーシュが噛み付いてくる寸前まで浸っていた快楽の頂だった。
頷いて先を促す。
「仲間がほしい。自分と同じ異端の生を生きてくれる仲間が。…この願望はたぶん人間の子どもがほしいという感覚が置き換わったものだと思うんだが、」
「…?何か問題があるの?」
「待ちきれなくてお前を吸血鬼にしてしまうところだったじゃないか」
ここまで言われてもスザクにはルルーシュの言わんとしていることがわからなかった。
いや、わかるにはわかる。ルルーシュが吸血鬼の仲間入りをした時の話を聞くに、何かしらの一族間での承諾や儀式なりが必要なのだろう。今欲望のままに暴走してしまえば
あとでルルーシュが困るのかもしれない。それに今まで拒んでいたのはそもそも自分を仲間にするつもりがないからである。それはわかる。
だから性格には、難しい顔をして黙り込んでしまったスザクの頭の中にあったのは、バンパイアの世界もしきたりにうるさいのだなということだった。
「それはうるさいさ。どれもC.C.が気まぐれに決めたものだが」
「あの人だったら気まぐれに改変もしそうだな」
「まあ普段はほとんど寝て過ごしているやつだから」
「ねぇルルーシュ。わかるにはわかったよ。つまり僕を、機も熟していないのに吸血鬼にしてしまわないためだったんだね?」
「…そうだ」
ルルーシュは嫌そうに頷いた。スザクが不意に浮かべた笑みによからぬものを感じたからである。
「ルルーシュは女の人みたいに抱かれるのが、嫌いじゃないんだね」
「……やっぱりそこに反応してくるのか」
どうして正面から抱かれたくないか。
中に出されたくないか。
理由を話してしまったら当然話はここに行き着くのだ。
ルルーシュはスザクに抱かれて中に出されて理性の糸が焼き切れる。
始めのうちこそバンパイアよりも弱い人間を傷付けたくなくて下になったのだ。けれどやってみたら予想外によかった。人間だったときとは回復力に違いがあるからかどうか知らないが、痛くても苦しくても最後はなんとなくヨくなるのである。身体の相性がいいのだと自分を誤魔化していたが、事実だけはかわらない。
ルルーシュはスザクに抱かれて気持ちイイ。
そんなこと知られたくなかった。
「いや、ばればれだから」
「う、うるさっ!お前、知らないからそういうことを言うんだ!」
「なにを知らないって?」
「俺がどんな感覚でいるかなんてお前は知らないだろう!」
「それはまあ確かに」
「試すか?」
「ごめんだ」
「即答か!ひどい!」
「だってやだよ。僕は男だし、」
「俺も男だ!しかも年配だ!敬え!」
「自分で言ってて悲しくならないの!?」
「なる!」
「あほか!」
「うるさいうるさい!」
照れ隠しにか自棄なのか、じたばた暴れ始めたルルーシュをひょいと押さえ込んでスザクは第二ラウンドに突入しようとした。吸血鬼が相手だと遠慮がいらないのがいい。貧血でさえなければルルーシュは夜行性なので夜はとても元気なのだ。
「別に下が元気なわけじゃない!」
「じゃあ元気にしてあげる、」
「結構だ!まずさっき出したものを何とかしろ!気持ち悪い!」
「うわ、それってやっぱりちょっぴり傷つくよ!イイくせに!」
「時間が経つとえらいことになるんだよ!試すか!?」
「断る!」
「…お前って、ほんと、ひどい男な…」
「照れるな///」
「照れるな!!」
先ほどとは逆転したやりとりを交わして、まあとにかくご立腹なルルーシュの中に指を突っ込んでスザクは自分が出したものを掻き出していた。ゆっくりやらないと噛みつかれるので慎重に指を抜き差しする。
「…ぁ」
「…」
「ん、んん…」
「……」
「…ふ、あ ゃ…」
「………」
「ひっ …ぅ は、あぁ!」
「悩ましい声を上げて作業効率を下げないで下さい!妨害音声だ!」
「フッ!」
「なにその勝ち誇った笑み!?わざとッ?わざとなの!?」
「狙ってない!」
「狙ってないのか!」
「だってスザクの指がいやらしいことをするものだから」
「しろって言ったのルルーシュじゃん!?」
「…(ぽ)///」
「はにかんでるぅ!?」
「そろそろ『デレ』ておかないと嫌われるかと思って」
「『ツン』も好きだよ!ルルーシュだったら全部好き!」
「そうか!俺もスザクのことは…だぞ!」
「声ちっちゃい!声ちっちゃいよ!ワンスモアプリーズ!」
「…いんだぞ!」
「やりなおし!」
「嫌いじゃないんだぞー!」
「結局ツンじゃないかー!!」
「俺のチャームポイントは『ツンツンツンツンツンツン、で、デレ…?』!貴重なデレを君はゲットできるのか!?」
「自分で言うんじゃありません!!」
…うるさいだけで、申し訳ありませんでした(平伏)
C.C.さんがやってきた